At the Bibliothèque Nationale de France フランス国立図書館にて

2024年12月14日と16日、パリにあるフランス国立図書館を訪れました。滋賀大学が所蔵しているワルラスの書簡をめぐる謎を解くために決め手となる手稿が同図書館に所蔵されているため、それを閲覧することが今回の訪問の最大の目的でした。まずは、事前にネットで申請してあった研究者用のパスを受け取りに、同図書館のリシュリュー館を訪れました。

On December 14th and 16th 2024, I visited the Bibliothèque Nationale de France in Paris. The main purpose of this visit was to view the manuscript that are held in the library, which would be the key to solving the mystery concerning the letters of Walras held by Shiga University. First, I visited the Richelieu site of the library to receive the researcher’s pass that I had applied for online in advance.

リシュリュー館の閲覧室です。これほど美しい閲覧室は今まで見たことがなかったです。

These are the reading rooms of the Richelieu library. I’ve never seen such beautiful reading rooms.

フランス国立図書館の博物館も見学しました。歴史研究者必見の貴重な資料を見ることができました。

I also visited the museum of the BnF. I was able to see valuable materials that are a must-see for historical researchers.

そしていよいよ目当ての資料があるアルスナル図書館へ。1797年に設立された由緒ある文書館です。厳かな雰囲気の中で、貴重な資料を閲覧することができ、謎を解く重要な手がかりが得られました。

Finally, I went to the Arsenal Library, which holds the manuscript that I was looking for. It is a historic archive that was established in 1797. I was able to view the valuable materials in a solemn atmosphere and obtain precious clues to solving the mystery.

ローザンヌ大学への出張 Travel to the University of Lausanne 

 2024年2月28日から3月3日までの予定で、ローザンヌ大学のワルラス=パレート研究所に滞在しています。今回の出張の目的は、自著Léon Walras’s Economic Thought: The General Equilibrium Theory in Historical Perspectiveについての講演、ワルラス文庫の調査、共同研究の打ち合わせです。

私の講演には、研究所の若いスタッフや院生の皆さんがたくさん参加してくれて、活発な議論ができました。さらには名誉教授であるPascal Bridel教授も参加してくださり、大変光栄に思いました。この本は、Bridel教授の著書から大きな影響を受けて、執筆したからです。当日私の討論者を務めてくれたのは、長年の研究仲間であるRoberto Baranzini教授と、新進気鋭の研究者Luca Timponelli氏でした。私の著書を非常に丁寧に読んでいただき、その意義だけでなく問題点まで的確に指摘していただきました。やはりここは世界最高レベルのワルラス研究が行われている所だと改めて思いました。

ローザンヌ大学の現在のキャンパスは、郊外にあり豊かな自然と美しいレマン湖の風景に包まれていますが、旧市街にある元ローザンヌ・アカデミーの校舎にも行ってみました。ワルラスやパレートが教鞭をとった建物で、ワルラスをローザンヌ学派の創立者として讃えるブロンズのメダル(1909)が飾られています。実はここは現在、中学校の校舎になっているので、メダルは平日しか見ることができません。しかも特に案内版があるわけでもなく、場所はわかりにくいです。

この近くにあるリュミーヌ宮で、1909年にワルラス経済学者生活50周年記念祭が開催されました。リュミーヌ宮は現在、州の博物館の建物が入っていて、一般の観光客も内部を見ることができます。

今回のローザンヌ訪問は、パンデミックが収束してから初めての訪問で、実に4年半ぶりです。研究活動が正常化したことを、とても嬉しく思います。

ローザンヌ大学ワルラス文庫の調査

2018年3月15日から3日間、スイスのローザンヌ大学ワルラス・パレート研究所(Centre Walras Pareto d’études interdisciplinaires de la pensée économique et politique)に滞在しました。今回の滞在の主な目的は、同大学に所蔵されているワルラス文庫の調査でした。これは、現在交付を受けている科研費のプロジェクト「ワルラス一般均衡理論の思想的起源の解明―ローザンヌ大学ワルラス文庫を手掛かりに」の計画に含まれているものです。

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ワルラス文庫の調査は、20年前から取り組んでいます。ワルラス自身による蔵書への書き込みを調べることにより、ワルラス経済学の形成過程を知ることができるのです。今回は特に、ジェヴォンズ、J.S.ミル、ルソーの著書への書き込みを調べることが目的でした。調査を始めたころは、暗くて寒い書庫の中でしか閲覧を許されなかったこともありましたが、今回は、滞在中、専用の研究室を与えられ、快適な環境で作業を効率的に進めることができました。

さて現在、この研究所が入っているle Géopolisという校舎は、とてもユニークな構造をしています。アルミホイルを貼ったような外見をしていますが、この校舎には開閉可能な窓がありません。エネルギーを無駄にしない最新鋭の空調設備が備えられているのです。

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この建物の中には吹き抜けがいくつもあり、ほとんどの部屋はその吹き抜けから採光するようになっています。吹き抜け側の壁は透明のパネルで、他の研究室が丸見えです。セキュリティ上はよいのかもしれませんが、少し落ち着かない雰囲気です。

数年前までワルラス・パレート研究所が入っていた古い校舎からは、窓からレマン湖とフランス・アルプスの絶景が臨めました。正直言うと、そちらの眺めの方が私は好きでした。

(続く)