Peer-reviewed journal

論文がアクセプトされました

2017年のESHETアントワープ大会で報告した、ワルラスとスミス『国富論』の関係についての考察を発展させた論文が、このたび、European Journal of the History of Economic Thought 誌にアクセプトされました。

この学会報告については、このサイトでもお知らせしました。また学会報告後、滋賀大学リスク研究センターのEnglish Lunch Seminarでも報告をしました。学会やセミナー当日、コメントや質問をしてくださった方々に感謝いたします。

学会での報告要旨は、Researchgateに掲載しています。ローザンヌ大学ワルラス文庫の『国富論』への書き込みを手掛かりに、「見えざる手」とワルラスの一般均衡理論を結び付ける教科書的な解釈に一石を投じ、ワルラスとスミスの知られざる影響関係を明らかにする論文です。掲載論文は、加筆修正を経て、最初のバージョンよりもかなり発展した内容になっています。

 ジャーナルに掲載されるのは、2021年6月の予定です。詳細について、またこのサイトでもお知らせします。

 

Œconomia掲載 ワルラスの労働市場観に関する論文

2018年最後の研究業績の公刊です。「ワルラスの純粋・社会・応用経済学の労働市場観」という論文が、フランスの査読ジャーナル Œconomia誌の12月号に掲載されました。

Kayoko Misaki, « The Concept of Labor Market in Léon Walras’ Pure, Social, and Applied Economics », Œconomia, 8-4 | 2018, 419-438.

(電子ジャーナルはこちらです。論文の本文はこちらをクリックしてください)

ワルラスは労働組合の賃上げ闘争や最低賃金制度の導入などに生涯反対し、市場原理による賃金決定を擁護し続けました。このことから、ワルラスの労働市場観は新古典派的と考えるのがこれまでの常識でしたが、この論文はそのような解釈を覆すことを意図しています。ワルラスのプルードンやマルクスに対する批判もヒントに、教科書的な解釈では触れらないワルラスの真の意図を明らかにしました。

この論文は、2016年9月に参加した、ローザンヌ大学/ILOの賃金問題ワークショップでの発表が元になっています(記事はこちら)。ワークショップの後、このジャーナルから誘いを受けて、投稿したのですが、二人のレフェリーから非常に厳しい査読意見がつきました。書き直しに予想以上に苦労させられ、まるで院生時代に戻ったような気分でした(涙)。しかし結果として、内容が格段に良くなり、レフェリーにはとても感謝しています。