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ローザンヌ大学ワルラス文庫の調査

2018年3月15日から3日間、スイスのローザンヌ大学ワルラス・パレート研究所(Centre Walras Pareto d’études interdisciplinaires de la pensée économique et politique)に滞在しました。今回の滞在の主な目的は、同大学に所蔵されているワルラス文庫の調査でした。これは、現在交付を受けている科研費のプロジェクト「ワルラス一般均衡理論の思想的起源の解明―ローザンヌ大学ワルラス文庫を手掛かりに」の計画に含まれているものです。

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ワルラス文庫の調査は、20年前から取り組んでいます。ワルラス自身による蔵書への書き込みを調べることにより、ワルラス経済学の形成過程を知ることができるのです。今回は特に、ジェヴォンズ、J.S.ミル、ルソーの著書への書き込みを調べることが目的でした。調査を始めたころは、暗くて寒い書庫の中でしか閲覧を許されなかったこともありましたが、今回は、滞在中、専用の研究室を与えられ、快適な環境で作業を効率的に進めることができました。

さて現在、この研究所が入っているle Géopolisという校舎は、とてもユニークな構造をしています。アルミホイルを貼ったような外見をしていますが、この校舎には開閉可能な窓がありません。エネルギーを無駄にしない最新鋭の空調設備が備えられているのです。

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この建物の中には吹き抜けがいくつもあり、ほとんどの部屋はその吹き抜けから採光するようになっています。吹き抜け側の壁は透明のパネルで、他の研究室が丸見えです。セキュリティ上はよいのかもしれませんが、少し落ち着かない雰囲気です。

数年前までワルラス・パレート研究所が入っていた古い校舎からは、窓からレマン湖とフランス・アルプスの絶景が臨めました。正直言うと、そちらの眺めの方が私は好きでした。

(続く)