書評 M.H.Turk, The Idea of History in Constructing Economics, 2016

2016年に出版されたMichael.H.Turk氏の著書についての私の書評(英文)が、経済学史学会のジャーナル『経済学史研究』の2017年7月号に掲載されました。

Kayoko MISAKI, Book Review, Michael H.Turk, The Idea of History in Constructing Economics, Routledge, 2016, The History of Economic Thought, 59-1, July 2017, pp.107-108.

この本は、18世紀のケネーから21世紀のピケティまでを対象に、経済学はどのようにして「科学」としての性格を与えられてきたのか、そして経済学と「歴史」との懸け橋は可能かという、経済学史における根源的な二つの大問題に同時に取り組んだ意欲作です。経済学が「科学」としての性格を色濃く帯びるようになるきっかけとなったのは、限界革命とワルラス一般均衡理論の登場であることは周知の事実ですが、ワルラスが同時代の数学者たちの考え方を正しく理解しなかったことがその後の新古典派の方法論を決定づけたという刺激的な解釈が出発点となっています。またマックス・ウェーバーと新古典派経済学との関係についての議論も、経済学はいかにして歴史学的な視点をもった学問として再構築されるうるのか、その可能性を考える上で多くの示唆に富んでおり、たいへん興味深く読みました。

2件のコメント

  1. おつかれさまでした!
    書評は大変ですよね。広範な内容の書籍は特にそうだと思います。
    よろしければぜひ抜き刷りをご供与くださいませ。

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    1. コメントありがとうございます。正直言って、難解な部分も多い書物で結構苦労しました(汗)。このジャーナルの編集委員長を退任するにあたって、引き受けたのですけれど・・・でも時には学生時代に戻った気分で、このような苦労もした方が、勉強にはなりますね(笑)。

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